カテゴリー: 歴史で知っておきたい作品
東海道中膝栗毛(江戸時代)ー歴史で中学生が知っておきたい作品

東海道中膝栗毛
とうかいどうちゅうひざくりげ
江戸時代
十返舎一九
教科書では、化政文化のころ、貸本屋が発達し、『東海道中膝栗毛』は当時の多くの人に読まれたと紹介されています。
『東海道中膝栗毛』は、江戸っ子の弥次郎兵衛(やじろべえ)と喜多八(きたはち)を主人公にした東海道旅行記です。
栗毛とは栗毛の馬のことで、膝栗毛とは馬のように膝を使う、つまり歩いて旅行をしたという意味です。
弥次郎兵衛と喜多八は、身の回りに悪いことが続きました。
そのため2人は厄払いのため、東海道を使ってお伊勢参りに行きます。
伊勢神宮をお参りした後は、京都・大阪を旅しています。
内容的には13日間のお話しです。ちなみに2人は20歳差です。
その道中をおもしろ、おかしく挿絵を使って書いており、洒落本から派生した滑稽本というジャンルになります。
この作品が大ヒットしたため、続編として金毘羅(こんぴら)の旅行記『金比羅参詣』を書いています。
さらに宮島への旅行記『宮島参詣』などへと続いていき、21年かけて完結します。
主人公の「弥次喜多(やじきた)コンビ」は、現代ではおもしろい一対の人たちの代名詞として使われます。
またいろいろな娯楽作品に創作され歌舞伎、映画、マンガ、ゲームなどになっています。
作者の十返舎一九(じっぺんしゃいっく)はペンネームで、本名は重田貞一といいます。
日本で初めて、文章などを書くことを仕事にした人物と言われています。
最初は浄瑠璃作家でしたが、文章だけでなく絵の才能もあったため、黄表紙(きびょうし・絵入り小説)も書きました。
他にも洒落本(滑稽と通を書く小説)、人情本(恋愛もの)、読本(歴史的伝奇)などさまざまなジャンルを書いています。
そして滑稽本『東海道中膝栗毛』の大ヒットにより、人気作家となりました。
ただ晩年は病気を患ったこともあり、貧しかったようです。
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南総里見八犬伝(江戸時代)ー歴史で中学生が知っておきたい作品
2018年2月19日
社会, 歴史で知っておきたい作品
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w.sanbongi
南総里見八犬伝
なんそうさとみはっけんでん
江戸時代
滝沢馬琴
教科書では、化政文化の時代に、滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』などの長編小説が多くの人に読まれたと紹介されています。
『南総里見八犬伝』は98巻106冊からなる、滝沢馬琴の代表的読本(よみほん)です。
読本とは、勧善懲悪(かんぜんちょうあく)で書かれた歴史的伝奇小説のことです。
108人の英雄を主人公にした中国の『水滸伝』を参考にしたと言われています。
他にも『三国志演義』の影響も受けています。
現代においては、映画化、ドラマ化を何度もされています。ゲームもありました。
またマンガ『ドラゴンボール』のきっかけを作った作品ともいわれています。
ストーリーは、姫のお腹から重要な心得「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の書いてある8つの玉が、飛び出します。
その玉を持って生まれた名前に「犬」がつく8人の人物(八犬士)が集結し、没落した里見家を再興していくお話しです。
基本的にはフィクションですが、実際にいた人物や出来事も織り込まれています。
ちなみに、里見家は本当にあった大名家です。
しかし、登場する里見義実(さとみよしざね)は架空の人物ではないかなど、さまざまな説があります。
最後は里見家の8人の姫と結婚し、里見家の重臣となりました。そして、歳をとって仙人となりました。
作者の滝沢馬琴は曲亭馬琴(きょくていばきん)とも言います。
24歳のとき、戯作者・山東京伝(さんとうきょうでん)の一門になり、戯作者としてデビューしました。
30歳のころから、本格的に本を書くことを仕事とし、1804年の『月氷奇縁(げっぴょうきえん)』が、好評となりました。
そして1814年に『南総里見八犬伝』を書き始め、その完成に28年を費やしました。
その途中、73歳で失明し、執筆ができなくなったため、息子の妻が馬琴から話を聞いて筆記していきました。
※教科書とは、東京書籍発行の「新しい社会」を指します。
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