カテゴリー: 歴史で知っておきたい作品
古今和歌集(平安時代)ー歴史で中学生が知っておきたい作品
古今和歌集
こきんわかしゅう
平安時代
紀貫之ら
905年に編集された勅撰和歌集で『万葉集』『新古今和歌集』とともに、社会だけでなく、国語でも出てくる作品です。
『古今和歌集』には、全20巻、約1100首が収められています。
醍醐天皇の命令で作成された勅撰和歌集です。
勅撰和歌集とは、天皇・上皇の命令で歌人が編集した和歌集のことで、全部で21集が編まれました。
選者は紀貫之を中心にして、紀友則、凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)、壬生忠岑(みぶのただみね)の4人です。
歌風は優美、繊細、技巧的で、女性的な作風です。これを「古今調」と呼びます。
賀茂真淵(かものまぶち)は『万葉集』の「ますらをぶり」に対し、『古今和歌集』を「たをやめぶり」と評しています。
技巧としては「掛詞(かけことば)」や「縁語(えんご)」が多用されています。
約4割は読んだ人がわかっていない歌で、最多で選ばれているのは選者でもある紀貫之で、102首が載っています。
『古今和歌集』の代表的な歌人は、六歌仙と呼ばれています。
在原業平(ありわらのなりひら)、遍昭(へんじょう)、喜撰(きせん)、小野小町、文屋康秀、大友黒主の6人です。
在原業平は、桓武天皇をおじいさんに持つ元皇族です。
『伊勢物語』の主人公とも言われています。30首載っています。
遍昭も桓武天皇の孫ですが、出家して僧になりました。恋の歌や感傷的な歌がうまく、18首載っています。
喜撰は百人一首にも選ばれている1首のみが載っており、謎の僧侶です。紀貫之の変名などとも言われています。
小野小町(おののこまち)は女性で、絶世の美女だったと伝わっています。情熱的な歌が多く、17首が載っています。
文屋康秀(ぶんやのやすひで)は下級の役人のため不明な点が多く、4首が載っています。
大友黒主(おおとものくろぬし)は『古今和歌集』序に「そのさまいやし」と評された人物で、4首が載っています。
スポンサーリンク
源氏物語(平安時代)ー歴史で中学生が知っておきたい作品
2017年12月11日
社会, 歴史で知っておきたい作品
No Comments
w.sanbongi
源氏物語
げんじものがたり
平安時代
紫式部
国風文化を代表する文学作品で、紫式部という中流貴族の娘が書いたものと教科書で、紹介されています。
『源氏物語』は、全54帖(じょう、折り本を数える単位)で、約70年にわたる出来事が約100万字を使って書かれています。
前半の主人公は光源氏(ひかるげんじ)、後半の主人公は薫大将(かおるたいしょう)です。
実話ではありませんが、藤原氏全盛期の貴族社会を描写し、当時のさまざまな恋愛模様と人生が描かれています。
光源氏は、天皇と身分の低い女性との間に生まれた子です。
よって光源氏には、天皇になる資格はありませんでした。
母親も早くに亡くなって、その屈折した感情を持ちながら、さまざまな女性と恋愛をしていきます。
そして紆余曲折(うよきょくせつ)があって自分の子供が天皇になり、その上皇として権力を握る物語です。
しかし、新しい奥さんを若い男に取られてしまい、自分がしてきたことの愚かさを知り、出家して亡くなります。
後半の主人公、薫は光源氏の奥さんが産んだ子で光源氏の子とされていますが、本当の子ではありません。
薫ともう一人の主要登場人物で光源氏の孫である匂宮(におうみや)と、宇治(うじ)の三姉妹の恋愛模様が描かれています。
宇治が舞台になっているので「宇治十帖(うじじゅうじょう)」と言われます。
「宇治十帖」に関しては、紫式部が書いていないとも考えられています。
源氏物語は様々な影響を与え、教科書にも載っていますが後に「源氏物語絵巻」として絵画にもなっています。
多くの人が現代語訳しており、「みだれ髪」の与謝野晶子や「細雪(ささめゆき)」の谷崎潤一郎も訳しています。
日本文学の代表として、英語、フランス語、ドイツ語など20言語以上で翻訳(ほんやく)されています。
マンガや映画にもいろいろな視点から、数多く作品化されています。
スポンサーリンク