カテゴリー: 歴史で知っておきたい作品
万葉集(奈良時代)ー歴史で中学生が知っておきたい作品
万葉集
まんようしゅう
奈良時代
大伴家持
奈良時代末期に作られた日本でもっとも古い歌集で、社会だけでなく、国語でも覚えなければいけない作品です。
『万葉集』には全20巻約4,500首のっており、大伴家持(おおとものやかもち)がまとめたものであろうと言われています。
『万葉集』が作られた目的については、はっきりしていません。
もともと1,2巻だったものが徐々に増えていったと考えられています。
『古今和歌集』や『新古今和歌集』は天皇や貴族中心の和歌集です。
しかし『万葉集』には天皇や貴族だけでなく、防人(さきもり)や農民の歌も収められています。
詠まれた土地も東北から九州まであり、約100年にわたり詠まれたものがのっています。
これを一人で行うには無理があります。よって最終的にまとめたのが大伴家持ではないかと考えられています。
歌風は素朴で、力強いのが特徴で、江戸の国学者、賀茂真淵(かものまぶち)は「ますらをぶり」と表現しています。
万葉仮名(まんようがな)という漢字の音で、日本語を表記する方法が用いられているのが特徴です。
4,500首中約4,200首は5・7・5・7・7の短歌です。
あとに反歌(はんか)をともなう長歌(ちょうか)も、約260首のっています。
東歌(あずまうた)という東国の民話を短歌にしたものと、防人の歌は当時の方言を知る資料となっています。
最多でのっているのが編者ともいわれる大伴家持で、479首残っています。
他には額田王(ぬかたのおおきみ)、柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)や、家持の父である大伴旅人(おおとのたびと).
山上憶良(やまのえのおくら)、山部赤人(やまべのあかひと)などが有名です。
他にも藤原鎌足や天智天皇、天武天皇、持統天皇と歴史の教科書に出てくる重要人物の歌もあります。
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風土記(奈良時代)ー歴史で中学生が知っておきたい作品
2017年11月27日
社会, 歴史で知っておきたい作品
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w.sanbongi
風土記
ふどき
奈良時代
元明天皇
教科書では、地方の国ごとに、自然、産物、伝説などをまとめたものとして紹介されています。
『風土記』とは地方の歴史を書いた地誌の総称なので、教科書で習う風土記は『古風土記』ともいいます。
徳川家康が将軍になるまでの徳川の歴史を書いた、『三河後風土記』などもあります。
『風土記』各地域の事情を知るために、元明天皇(げんめいてんのう)が命じて作られました。
元明天皇は中学の教科書では習いませんが、女性の天皇で、天智天皇の娘です。
平城京遷都(せんと)、和同開珎(わどうかいちん・わどうかいほう)発行を行った人物です。
ちなみに『古事記』が出来上がったのも、元明天皇のときで、『風土記』の作成はその翌年に命じています。
「風土」とは、土地の気候や特徴のことで、その土地の起源や伝承、特産品などが書かれています。
その土地の有力者が作ったものなので、重要な資料とされています。
全ての地域のものが存在したようですが、現在当時のまま残っているのは、『出雲風土記(いずもふどき)』のみです。
ただしそれも現物ではなく、写本です。いくつか存在しますが、1597年に細川幽斎が写本させたものが一番古いようです。
他に播磨(はりま)、肥前(ひぜん)、常陸(ひたち)、豊後(ぶんご)のものがありますが、これらも原本ではありません。
この5つをまとめて五風土記といいます。その他には書物の中に引用されて、一部伝わっているものがあります。
丹後(たんご)の風土記には、浦島太郎の原型となる話が載っています。
『出雲風土記』には、『古事記』や『日本書紀』とは異なったり、記されていない神話も載っています。
神が海の向こうの土地を切り分けて網で引き寄せ、出雲に結び付けたという「国引き神話」が有名です。
これら『出雲風土記』特有の神話を、一般に「出雲神話」と呼びます。
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