谷崎潤一郎をわかりやすくー耽美派・痴人の愛・刺青


谷崎潤一郎

谷崎潤一郎

 

たにざきじゅんいちろう

1886年~1965年

 

 

谷崎潤一郎は、近代日本文学を代表する小説家です。

芸術至上主義を主張し、白樺派と並ぶグループ・耽美派(たんびは)の代表作家と紹介されることもあります。

中学の教科書では、名前は出てきますが、作品や人物像などはまったく書かれていません。

 

学生時代はとても成績優秀で、東京帝国大学に進み、在学中に代表作のひとつ『刺青(しせい)』を発表しています。

刺青』は、刺青師の主人公・清吉が、刺青(入墨・いれずみ)を掘ったいち女性の姿を描いた作品です。

ちなみに古い作品が多いですが、何度も映画化、テレビドラマ化されています。

 

その後大学は中退しますが、執筆活動は続け、1914年に長編『痴人(ちじん)の愛』を発表、大きな反響を呼びました。

痴人の愛』は、主人公が、ナオミという少女を将来自分の妻にしようと育てていきます。

しかし次第にナオミに翻弄(ほんろう)されていくお話しです。こちらも三度、映画化されています。

太平洋戦争時には、『細雪(ささめゆき)』を発表します。

これは軍部から内容が戦争時に読む者ではないとされ、一時発売中止となりますが、のちにベストセラーとなっています。

細雪』は、日中戦争時の生活を描いたもので、大阪船場(せんば)の4姉妹のお話しです。

 

当時耽美派の代表作家である永井荷風(ながいかふう)も、谷崎潤一郎を大きく評価していました。

後輩にあたる芥川龍之介は、ライバル関係として評されることもあり、雑誌上で論争を起こしたことも有名です。

しかし2人は仲が悪かったわけではなく、いっしょに出掛けたりもしています。

なおこの2人の論争は、芥川龍之介の自殺によって、終焉しています。

『田園の憂鬱(でんえんのゆううつ』で知られる佐藤春夫も友人関係にありましたが、女性関係をめぐり一度絶縁しています。

その後関係は復活し、谷崎の妻を佐藤春夫が譲り受けたことは、当時新聞で報道されるほど、反響を呼びました。

 

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プロフィール

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愛知県豊橋市三本木町の某個別指導塾・塾長です。

愛知県田原市生まれ、豊橋市育ち。

文学部史学科卒のため、歴史ネタが多くなります。

主に小中学生に指導もしています。

東三河の方で、教室に興味のある方はこちらのお問い合わせフォームより、お問い合わせください。塾ではない形で指導を希望される方も、一度ご相談ください。あなたから新しい指導の形が見つかるかもしれません。

 

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